私は、「体験」をとても大切にしています。
体験をコレクションするために、この地球に生まれてきたのではないかと考えているほどです。
いろんな体験をコレクションしながら、体験というフィルターを通して人生を全て感じていくと、制限が外れて自由度が増していきます。自分が誰なのかが分かってきたり、本当にやりたいことが分かってきたり、やりたいことがより深くなっていくのです。つまり、体験を重ねながらコレクションしていくと、さらに自由に生きることができるため、人生そのものが変わっていきます。
私が考える体験とは、見る、触れる、味わうなどの感覚的なものだけに限りません。喜ぶ、愛する、憎む、悲しむなど、ありとあらゆる感情的なものも体験ですし、何もしないこと、人と会わないこと、腸が煮えくり返るようなことなども体験です。体験というフィルターを通すと「成功」「失敗」「良い」「悪い」はなくなります。その全てが体験なのです。
なかなかそうは思えず、良い体験だけしたいと言う人もいますが、それは「こういう成果を受け取りたい」「こういう目標を達成したい」という成果や結果だけを望んでいるからだといえます。成果や結果を望んでしまうと、制限が掛かって次第に自由は失われていくものです。ですから、自由に生きるということは、全てを体験として見ながら、あらゆる人生を感じていくことでもあります。
ところで、いろんな体験をコレクションする際は、全く価値観が違う場所にポンと入ってみると、とても面白い体験ができるものです。たとえば、お金が全くない世界を垣間見ることや、極限のマイナス30度の世界に行って「こんな場所にも人類は住んでいるんだ」という所を見せてもらうことなどがあります。あるいは、ヌーディストビーチに行って裸で泳いだり、高いお金を払ってスパに行ってみたりすることも、面白い体験の一つです。このように、普段はやらないことに挑戦し、非日常を体験すると、日常で感じる自由度はより増していきます。
先ほどの例でいうと、今までお金がなかったら大変だろうなと思っていたものの、お金が全くない世界を垣間見たことで、「お金が全くない世界でも、あんなに幸せに生きている人がいるんだ!」という発見があるかもしれません。ようするに、全く価値観が違う場所にポンと入ってあらゆる体験をすると、環境の差には幅があって、いろんな生き方があるということが分かってくるのです。
また「体験」は、リアルな体験だけとは限りません。人の体験も「体験」の一つです。最高と最低の体験を聞かせてもらうことで、その話から様々な生き方があることに気がついたり、自らの人生を変えるきっかけとなることがあります。
たとえば、私は2012年2月22日から2013年9月19日まで「1,000人ランチプロジェクト」を開催しました。1,000人ランチプロジェクトを開催して一番良かったのは、300人くらいから最高と最低の体験を聞かせてもらうことができたことです。全員の人生に最高と最低の体験はありましたし、笑ったり、愛したり、泣いたり、憎んだりなど、例外なくすべての人の身に起こることなのだと分かりました。それぞれにドラマがあって、本当に人生はいろいろなだと感じたのです。人の体験は自らのリアルな体験とは異なりますが、それでも人の体験を聞くのと聞かないのとでは全く違います。話を聞いたことがきっかけとなって、日常の自由度の幅を広げていくことができるのです。
日常の自由度の幅が広がっていくと、「なんだか楽しい」「なんだか幸せ」「自然と希望が湧いてきたような気がする」といったことを感じ始めるようになります。自分の中から溢れ出てくる純粋な楽しさ、単純な楽しさです。
私はこの状態のことを「Pure Joy!」と呼んでいます。「Pure joy!」は、人類が一番求めているものといっても良いかもしれません。地球上で「Pure Joy!」に一番近い人たちはサーファーです。
自然と調和しながら全てを委ねて、パーフェクトなタイミングで波に乗る瞬間は、何もかも忘れて「Pure joy!」の状態となっています。サーファーではなくとも、体験をコレクションしていくことで、誰でも「Pure Joy!」の状態になることは可能です。
「Pure Joy!」の状態になると、自分の好きなことが見つかりやすくなりますし、自分が誰なのかが分かってきます。また、やりたいことの方向性も定まってくるため、集中して取り組むことができるようになるのです。そして、自分のことだけに限らず、両親のことや家族のことなど、周囲にいる人のことを深く理解することができるようにもなります。それから、体験が人生を変えるという意味では、現状に不満があるときに今までにない体験をすることで、その体験が突破口となることも少なくありません。
たとえば私の場合、本を出版するといいながらずっとできずに、不満を感じていたことがありました。そこで、アマゾンに行くという冒険旅行に出掛けてみたところ、その体験が突破口となって最終的に本を出版することができたのです。
いろんなことを考えたり、瞑想するなどして突破口をつくるというやり方もありますが、先ほどの私の事例のように、もっとフィールドに出て全然違うことをやってみるという体験も、突破口となる可能性があります。未体験のことに限らず、「ちょっとだけ体験する」「圧縮して一気に体験する」「自分がやりたいことを全部体験する」といったアプローチも、突破口をつくるやり方の一つです。
繰り返しとなりますが、私たちがこの世に生まれてきた理由は、いろんな体験をするためです。だからこそ、自分がやりたいと感じた体験は、全てチャレンジしてみることをおすすめします。
そして、たくさんの体験をコレクションし「Pure Joy!」を感じてみてください。体験を重ねて「Pure Joy!」を感じた分だけ、人生は変わっていきます。